ルミガンの有効成分はビマトプロストです。ビマトプロストの持つ作用が、緑内障で高まった眼圧を下げてくれます。また、詳しい作用はわかっていないものの、ビマトプロストがまつげの成長期を延長すると考えられているのです。そのため、ビマトプロストは睫毛貧毛症の治療薬としても利用されています。
このページでは、ルミガンの有効成分であるビマトプロストについて紹介。ビマトプロストの作用も詳しく解説します。また、ルミガンに含まれる添加物が、どのような役割を持つのかも見ていきましょう。
もくじ
ルミガンの有効成分の基本情報

ルミガンは、もともと緑内障の治療に用いられていた薬です。しかし、ルミガンに含まれる「ビマトプロスト」が、まつげ育毛の効果を持つと話題になりました。副効用が発見されて以来、まつげ育毛剤としても使用されはじめたのです。
ルミガンの本来の用途は緑内障治療
ルミガンは、アメリカで大手の製薬会社であるアラガン社が開発した緑内障の治療薬です。
アメリカでは、FDA(アメリカ食品医薬品局)によって食品や医薬品、美容品などが管理されています。FDAは、日本の厚生労働省とほぼ同じ役割を担っています。FDAの承認を受けるためには非常に厳しい審査をクリアする必要があるので、効果のない薬や成分は登録ができません。ルミガンは、2001年にFDAより緑内障の治療薬として承認を受け、2009年には日本でも販売されはじめました。
副効用でまつげが伸びた

ルミガンが緑内障の目薬として使われていくうちに、多くの人に「まつげが長くなる」という副効用が認められました。
そのため、開発元であるアラガン社は、ルミガンに専用のアプリケーター(ブラシ)をつけて発売を開始。まつげ育毛剤としての販売名は「ラティース」です。ラティースには、ルミガンと同じ有効成分「ビマトプロスト」が含まれています。
ルミガンの有効成分の作用

ルミガンに含まれるビマトプロストは、高くなりすぎた眼圧を下げる作用を持つ成分です。同時に、ビマトプロストには睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)への有効性も確認されています。
ビマトプロストの作用
ルミガンの有効成分「ビマトプロスト」は、眼圧を下げる作用を持ちます。このため、緑内障の治療薬として使用されています。
緑内障は、眼圧が高くなってしまい、視神経などを圧迫して目が見えにくくなる病気です。緑内障を治療する際は、眼房水と呼ばれる水分を抜き、眼圧を下げます。
眼房水を抜く働きを持つのが、人の体内にある「プロスタグランジンF2α」という物質です。このプロスタグランジンを強化した成分が、ルミガンの有効成分であるビマトプロストです。そのため、ルミガンには、眼房水を減らして眼圧を下げる作用があります。
まつげ育毛の作用もあるビマトプロスト
ビマトプロストには、まつげの育毛を促進し、まつげを濃くする作用もあります。
ルミガンの開発元であるアラガン社は、「特発性睫毛貧毛症に対する有効性」という実験を実施しています。その結果、ビマトプロストによる上まつげの成長(長さ、豊かさ、太さ、濃さ)が認められたと報告されています。作用機序はまだ不明な部分もありますが、ビマトプロストには毛の成長期を延長する作用があるのではないかと推察されています。
2014年からは、日本でも睫毛貧毛症の治療薬として、ビマトプロストを含む薬の製造・販売が認められています。
ルミガンの添加物を一覧で紹介

ルミガンには、有効成分であるビマトプロストの効果をさらに引き出すため、6つの成分が添加されています。以下の表で、添加物の基本的な働きを見てみましょう。
成分名 | 成分の基本的な役割・説明 |
ベンザルコニウム塩化物 |
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塩化ナトリウム |
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リン酸水素ナトリウム水和物 |
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クエン酸水和物 |
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塩酸 |
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水酸化ナトリウム |
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なぜ、有効成分であるビマトプロストだけで、ルミガンはできていないのでしょうか。それは、作用機序が確認された成分は、単体だとそのまま摂取してもうまく吸収できないことが多いからです。ルミガンに含まれる添加物により、副作用を抑えつつ吸収されやすい状態、劣化しにくく安定した状態を維持しています。
まとめ
ルミガンに含まれるビマトプロストは、緑内障の治療薬として開発されました。眼圧を下げる作用があり、緑内障で高まった眼圧を下げるために用いられています。
また、ビマトプロストには、まつげの成長期を長くする作用もあると考えられています。詳しい作用機序はわかっていませんが、まつげが太く長くなる副効用が確認され、睫毛貧毛症の治療薬として用いられています。
ルミガンには、ビマトプロスト以外に添加物も含まれています。これは、薬が体内に吸収されやすい状態を作り、劣化を防ぐためです。ビマトプロストと添加物によってルミガンが完成し、体内でしっかりと働いてくれます。